都会の生活・田舎の生活
息子とずっと、映画「バケモノの子」を見に行きたいねと言っていたら、ひょんなことからラジオ出演のお話をいただいて、週末に岡山市に行くことになりました。
岡山市までは車で、高速を使わなくても下道で1時間30分ほどで到着。
RSKラジオの「田舎で暮らそう」というコーナーで、真庭に移住しての暮らしやお仕事の話など、ちょこっとお話させてもらいました。
その後は「やさい食堂こやま」さんで昼食。
今日の日替わりは車麩のカツとひじきカレーコロッケがメイン。
お米は今住んでいる勝山の無農薬の合鴨米。
とっても美味しくいただきました♪
そして本日のメインイベント!
「バケモノの子」はずっと観たかった細田守監督の作品。
お盆中のイオンモールは大混雑で駐車場に入れるのにもかなり待ちましたが、チケットをネットで座席指定で事前購入していたので、焦らずに済みました。
便利な時代だなぁ。
映画は本当に素晴らしかったです。
主人公はシリアスな境遇なのですが、そこはサラッと描きつつ、笑って、途中ハラハラして最後は感動して泣いてと王道なストーリーなのがいい。
CGじゃない手描きのアニメーションの温かさ。
テンポの良い展開で笑える場面もたくさんあり、息子は
「クマテツおもしろーい!」
とケタケタ笑って、最後は両目にいっぱい涙をためて泣いていました。
そして、びっくりしたのが舞台となった渋谷のまちのリアルさ。
私は以前、息子が1歳半になるまで、夫の仕事の都合で渋谷区に10年ほど暮らしていました。
センター街や、明治神宮前の風景、市役所や図書館、看板までそのまま再現されていてリアルすぎて、もうどのシーンを観ても当時の暮らしがフラッシュバックして涙が出そうでした。
バケモノたちは空想の世界の住人でも、登場人物達の境遇や渋谷の風景描写がリアリティを増しています。
子どもに見せるなら、宮崎駿監督の作品の方が絶対の安心感はありますが、ちょっとハラハラしたり怖いのが楽しめるようになってきた6歳(年長)の息子には、すごく楽しめる内容でした。きっと思春期の子でも大人でも感じるところはそれぞれ違う、幅広い層にとって楽しめる映画だと思います。
もともと映画の仕事をしていた父や祖父の影響で映画は大好きなのですが、子どもが生まれてからずっと、ちゃんとした映画館に行けませんでした。
6年ぶりの映画館。
シートに座る特別感、大画面と音響の臨場感、上映中に皆が笑ったり、感動したり会場での一体感を味わうことができて、改めて映画館で観るって素晴らしいと感じました。
一緒に映画を楽しめるようになった息子の成長が感慨深い。
息子との良い映画デビューになって良かった。
映画を見終わったら、イオンモールの人混みにクラクラ。
息子もお疲れの様子だったし、映画のパンフレットだけで他は何も買わずに帰りました。帰りの岡山市内の渋滞にげんなりしつつも、都市部を離れるにつれて、ビルの合間から山が見えて道がスイスイになっていくことで気分も軽くなる。
真庭は混まないのがストレスフリーで当たり前になっていたけど、人混みや車の渋滞ってすごいストレスなんだなぁと改めて思う。
昔、渋谷に住んでいた頃は、新商品やいいものを探すのが大好きで、東急ハンズがない場所になんて住みたくないと思っていたくらい。
でも子どもができてから今までの都会型の生活が一変しました。
・子連れでの買いものは思い通りにできない
・映画もレストランも美容院もなかなか行けない
・近所づきあいがないのが気楽と思っていたのが急に子どもと孤独になる
・人通り車通りが多くて危なくて手を離して子どもをのびのびと歩かせられない
・公園はあるけど整備されすぎていて自然が少ない
・子育て支援センターや有料の遊戯施設はあるけど、大人と子どもの居場所が区別されすぎて、子どもは楽しくても親が満たされない
東京にはもちろん子育てに適した環境はたくさんあるのでしょうけど、私がたまたま住んいた場所ではこう感じていました。
夫が忙しく夜帰りが遅いこともあり、楽しかったはずの都会は急に住みにくい場所になりました。
一時保育とかベビーシッターとか利用する手もあったのかもしれないけれど、子どもを預けてまで自分が遊びたいかと言うと、たまにはいいけどそれもちょっと違う。
親子で一緒に楽しめる場が欲しかった。
今は、きれいな水だったり、空気だったり、人とのつながりだったり、自然の中で子どもがいきいきと遊んだり、「目に見えない豊かさ」がここにはあるから、そこで満たされるものが大きくて、以前ほどあれ不必要に買いものしなくなっている。
もちろんいい物は今も大好きで、お気に入りの家具だったり、着心地のいい服だったり、気持ちがいいものは長く大切に使いたいなぁと思う。
子どもの映画だって見せようと思えばいくらでもあるけど、厳選して本当に自分がいいなと思うものだけにちゃんとお金を払いたい。
子どもが見たがるものは、レンタルDVDとかで十分だったりする。
何か買いものするときは、車さえあれば津山まで30〜40分、米子まで1時間ちょっと、岡山市まで1時間半、好きな音楽をかけながら、ちょっとしたお出かけ気分で不便さは感じていません。
真庭市の中心部の久世に行けばいろいろ便利なお店があるからひととおり揃うし、何よりもネットで買いものできる時代になったのは大きい。
以前は都市型生活でたまに郊外に出かけてリフレッシュという生活だったけど、今は環境の良い田舎で暮らし、ちょっとしたものは地元やネットで買いものして、たまに映画を観たりするのに都会に出るのは、また新しいライフスタイルなんじゃないかしらと思う。
震災がきっかけとはいえ、新しい世界に飛び込んでみて良かった。
ちなみに息子はよっぽど面白かったみたいで家で毎日バケモノの子のお絵かき。
主人公のクマテツが九太によって成長するように、私も息子に本当に大切なことを教えてもらったかもしれない。
息子と「また映画に行こうね」と約束しました。