クロモジと藍の石けん
今朝、真庭では初雪が降りました。
日が差したらあっという間に消えてしまいましたが、日の光に雪がきらきら光って本当にきれいでした。
昨日は、東京の職場ですごくお世話になっていた先生が勝山に遊びに来てくれました。
養護教諭の先輩でもあり、手作り石けん仲間でもある私の大好きな先生。
久しぶりにお会いして我が家で一緒に石けんを作ることになりました。。
石けん作りにおいて、普段からなるべく地元の素材を取り入れたいと思っているのですが、今回は真庭市の蒜山・中和(ちゅうか)地域で一般社団法人アシタカさんが山から採取して精油にしているクロモジの木のエッセンシャルオイルを使うことにしました。
ちょうど先日、中和地域まで足をのばし精油を採取作業のお手伝いをさせてもらったばかり。
中和は真庭北部の中でも特に、手つかずの天然ブナ林や、希少な自然や生物が数多く残っている地域です。
11月上旬の中和は紅葉の見頃で、その色の鮮やかさは目を見張ります。
これが、中和に自生するクロモジの木。
葉からも枝からもバラやローズウッドに似た、華やかでありながら気品のあるいい香り。
この枝や葉をこのタンクに詰めて、水蒸気蒸留法で精油をとりだします。
よく精油成分が出るように細かく枝葉を切るのをお手伝いしたのですが、量が多く根気のいる作業です。
水蒸気を冷やした水に1滴ずつ浮かんでくる精油。
2時間くらい火にかけつづけてもほんの少ししかとれません。
ずっと1日作業で火にかけ続けるそうです。
山に入ってクロモジの木を探し、1日かけて採油して・・・・
こんなに手間暇かけて自然のめぐみをギュッと凝縮した精油。
こうして少しだけですが精油採取の現場をお手伝いすると、1滴1滴大切に使わなくてはと背筋が伸びる思いです。
このクロモジに合わせるもうひとつの素材の色を何にするか。
偶然この精油採取の場でお会いした中和地域の草木染めの「手染め屋ゆい」の奥野先生とお話しして、私が以前からずっと探していた藍の粉末を分けてくださることになりました。
こうしていただいた、クロモジと藍を使ってどんな石けんを作ろうかと考えていた時期に、ちょうど東京から石けんデザインの得意な先生が来てくださったのです。
私は普段、石けんを一人でも多くの方にお届けしたいので、時間がかかるデザインにはあまり凝らない方ですが、今回東京から来てくださった先生に波紋の模様やスワロールのアイデアを教えていただいてワクワク。
デザインも凝りだすとやっぱり楽しいなぁ。
藍の色もいい感じで出ています。
地元産のクロモジの香りにもうっとり。
クロモジは肌の保湿やハリの回復、藍は抗菌作用や美白にも良いそうです。
たくさんの方々のお陰でで無事に型入れできたクロモジと藍の石けん。
スワロールの模様も美しく、切り分け時の断面がどうなるか楽しみです。
ちなみに夕食は、パスタのリクエストをいただいて、地元の自然栽培や有機のお野菜たっぷりごはん。
息子が、今日は先生がわざわざ東京から来てくれてパーティーだからとクラッカーも鳴らして乾杯!
一緒に美味しく食べて、石けん談義で盛り上がって、とても幸せなひとときでした。