真庭に帰ってきて感じること
あけましておめでとうございます。
年末年始は帰省して、夫の実家でゆっくりしてきました。
久しぶりにみんなとおしゃべりして、紅白見て、お節食べて、初詣に行って、駅伝見て、いつもと変わらぬお正月がなんだか嬉しい。
息子はじいじばあばに遊んでもらったり、家族みんなと一緒だと本当に楽しそう。
私も一人で息子の相手をしなくていいのでありがたい。
お陰様ででのんびりと過ごすことができました。
母と一緒に新宿に買いものに行ったり。
冬なのに新宿はちょっと歩くと汗ばむくらい暑くてコートを持ってきて失敗。
実家の梅が葉っぱが落ちる前に花がもう満開なのが奇妙な光景で、地球の気候、大丈夫かと心配になりました。
5時を過ぎると街はあちこちで色とりどりのイルミネーションがきれい!
20代の私だったら、こんな都会のキラキラした感じが大好きでした。
でも今の私にとっては、LEDの白く強い光やチカチカ点滅する過度な灯りは眩しすぎる。
久しぶりの新宿は、甘すぎる香料やすえたにおい、いろんなにおいがして、なんでも揃って便利だけど人も物も多すぎて疲れました。
いつからだろう。
以前は都会の便利さを享受していたはずなのに、子どもが生まれると、徐々に人工的なものより自然で本質的なものを選ぶようになりました。
赤ちゃんになるべく化繊よりもコットンの服を着せたいと思ったり、薬を極力飲ませたくないと感じたり、食べものの安全性や調味料を気にするようになったり。
それは生まれたての、あまりにも小さくてやわらかい赤ちゃんを抱っこしたら「この子を守ってあげなきゃ」と思う母親の本能的な感覚だと思う。
息子に母乳をあげていた頃、私が甘いものや肉を食べ過ぎると夜泣きがひどくなり、和食や穀物菜食中心にすると穏やかに眠るのに気づいてびっくりしたことがある。
助産師さんに相談したら「ママの食べたものでおっぱいの味は変わるのよ。肉とか砂糖とか食べると血液がドロドロするでしょ。血液からできるおっぱいも当然まずくなる。ママの体にいいものを赤ちゃんが教えてくれるのよ。」
と教わり、へぇ〜と感心したことを思い出す。
かつては都会が大好き、ファミレス大好き、買いものと映画と食べ歩きが大好きだった私が、震災がきっかけだったとはいえ、岡山県の田舎に移住してしまうほど価値観が変わってしまったのだから、子どもを生み育てるってすごいことだと改めて思う。
子どもって舌も肌も鼻も敏感で、大人みたいにごまかしがきかないからこそ、私はひとつずつ息子から教えてもらったんだなぁと思う。
さて、ゆっくり年末年始を親戚や夫の両親と過ごし、岡山への帰路へ。
帰りの飛行機はパパも一緒で息子は嬉しくてずっとハイテンション。
岡山空港は新幹線の岡山駅より山の多い内陸にある空港なので、外に出ると空気が美味しい。
羽田では喉のイガイガを感じていましたが、岡山空港から真庭まで帰るとさらに空気が澄んでいて、息子は東京から帰るたびに車の窓全開で深呼吸して「空気が甘いね〜」とか言ったりするから笑ってしまう。
真庭市は南に吉備高原、そして北の蒜山など中国山脈が守ってくれているのか、PM2.5も黄砂もさほど影響を感じていません。県南から来た喘息の人も真庭に来ると発作がピタリと治まると聞いたことがある。
移住前にずっと続いていた息子の咳が、真庭に来てからぜんぜん出ないのはこの澄んだ空気のお陰だと思う。
そして真庭に帰ってきて真っ先に行きたかったのは地元の温泉!
私たち家族が大好きなひまわり館は、昨春に源泉に加熱するだけの完全「かけ流し温泉」にリニューアルしたのでお湯質は最高です。
(しかも入浴料は市民割引の回数券利用で210円となんとも良心的な価格)
広い露天風呂の湯船に入ったら、肌がつるつるするやわらかいお湯。
あちらに帰省して数日も経つと、水道水が合わなくて手荒れしていたけれど、乾いたスポンジが水を吸うように肌が喜ぶ感じ、指先もするすると気持ちがよくて、うひゃーと感激してしまう。
見上げると星がきれい。東京よりずっと寒いけど、やっぱり冬は冬らしい方がいい。
体ポカポカで家に帰り着き、汲み置きしておいた塩釜の冷泉水を飲むとまろやかで美味しい。
生まれ育った東京と、1年半以上暮らしてきた真庭。
「帰る」という言葉をどちらに使うべきなのか、しばし考えたけど、やっぱり私にとっては両方とも大事なホームだから、どちらも「帰る」でいいやと思う。
家族や親戚、友達がいっぱいいて、便利でワクワクして東京はやっぱりいいなぁと思う。
でも、一方でこの澄んだ水や空気、満点の星空は、お金を積んでも逆立ちしても都会では手に入らない。
そんな私の感覚を「都会の人が家庭菜園を喜ぶのと一緒よ」と指摘した友人がいる。
確かにそうかもしれない。
住み慣れて息子が成長した数年後はまた違うことを感じているかもしれない。
でも他所から来たからこそ、ずっとここで生まれ育った人には見えない風景が私にはきっと見えている。
このブログも、そんな風景やこの土地のいいところを発見して、これからも少しずつ綴っていけたらと思うのです。
真庭に住み始めて、まだまだ慣れないことも多いけれど、お世話になった方々にご恩返ししつつ、少しずつこの場所に根を下ろしていこうと思う。
いつも読んでくださっている方、本当にありがとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。