ノリランカさんのお野菜とお月見
先日は十五夜とスーパームーンとお月見日和でしたね。
皆さまお月見はできたでしょうか?
昨日の投稿にも書きましたが、自転車デビューした息子は楽しくて楽しくて、暗くなるまで乗り回していましたが、私は宅急便が届くので一足先に帰宅。
暗くなってから、近所のおじいさんにもう帰りなさいと言われて、息子もようやく帰宅してきました。
そして帰ってくるなり
「お向かいのおじいちゃんに今日はお月さまがとてもきれいな日で、お月さまにお月見団子を供える日なんじゃーって教えてもらったから、ママお団子一緒に作ろうよ」
と言ってきた。
この日は運動会だったから朝7時半から場所取りに行ったり午後も出かける用事があったり1日バタバタでした。
帰ってからも夕方まで息子の自転車にずっと付き合い、暗くなってからやっと家に帰り、夕飯作りに取りかかるタイミングでそう言われたので、
「今まで自転車つきあって、夕飯これから作らなきゃいけないのに、お月見団子なんて無理!」
とキツく言ってしまいました。
息子しょぼーん。
そんなときにちょうどチャイムが鳴り、お願いしていた吉備中央町の友人、ノリランカ農園さんから野菜が届きました。
箱を開けたとたんにハーブの爽やかな香りと野菜の生命力あふれるエネルギーに感動する。
肥料や農薬を使わなくたって、自然のリズムに沿って育てたら、虫喰いどころかこんなに美しく立派なお野菜ができるんだなぁと、ずっしりしたズッキーニやトマトを手にとりながらワクワクする。
いろいろな形のズッキーニや、ダビデのオクラ、高知在来の銀不老いんげん、トゲトゲで痛いくらい新鮮な四葉(すうよう)キュウリ、そして青々とした秘伝豆の枝豆。
特に息子は、レモンバーベナを「いいにおい〜」と気に入ったみたいで、急になにか思いついた顔をして何枚か葉っぱをちぎりだした。
「何するの?」と聞いても「内緒!見ちゃダメ!」と言い、踏み台を持ってきて冷蔵庫をゴソゴソし始め、
「つまようじちょうだい」とか
「ゴマはどこ?」とか言い始めて、どうやら今日のイベントの餅投げでもらったお餅を使って、何か作るらしい。
お陰で、私の台所作業はしょっちゅう中断されて、もともと疲れていた私はだんだんイライラ〜。「何作ってるんだか知らないけど、食後にしてよ!」
息子が冷凍庫を開けっ放しで開放注意のアラームがピーピー鳴るし、
「も〜!頼むから台所から出てあっちに行って!」
と最後は怒鳴りまくりだけど、息子は知らんぷりで台所に乱入してはテーブルで何やらゴソゴソ作ってる。
しばらくして息子が
「目つぶって10かぞえて!」
仕方なくつきあう。1,2,3,4・・・・10
「じゃーん」と見せてくれた。
「お月見団子つくったんだ。お月さまのウサギさんにあげるの!」
丸餅に爪楊枝でレモンバーベナ刺してを耳にして、目はゴマ、冷凍庫を開けっ放しにしていたのは、シラスを取り出していたらしい。それで名前まで作って・・・。
息子の発想の豊かさにびっくり。
そして一生懸命考えたんだなぁと、見ているうちに涙が出そうになった。
息子がお月見団子を一緒につくろうって言ってくれたのに、なんですぐ「無理!」って言っちゃったんだろう。
なんで台所から出ていってってガミガミ怒っちゃったんだろう。
息子はこんなに一心にお月見のためにかわいいうさぎさんを作っていたのに。
息子をぎゅーっとして、
「すごいね!すごくかわいいウサギさんできたね。ママ怒りすぎちゃってごめんね」と謝りました。
近所のおじいさんから教えてもらい、お月見団子を作りたいという瑞々しい息子の心。
本当はお月見団子も一緒に作って、もっと季節折々の行事を一緒に楽しみたい。
ああ、私にもっと余裕があったらと心から思う。
夕ご飯は私もヘトヘトだったので、焼くだけ、茹でるだけの簡単ごはん。
でもノリランカさんのお野菜が力強いから、とても美味しいご飯でした。
ズッキーニはオリーブオイルでじっくり焼いて塩のみで。
トマトも焼くとさらに甘みが増して美味しい。
四葉きゅうりは梅酢漬けに。
秘伝豆を茹で、実を食べると甘く豆の味がしっかりして歯ごたえがあって絶品。
スープはノリランカさんからのお勧めで、枝豆のゆで汁を捨てずに塩で味付けして具はワカメのみ、本葛粉でとろみをつけただけのスープにしてみたけれど、豆の甘い味と香りがしてその美味しさにびっくりした。
昆布も鰹節も鶏ガラスープも使っていないのにすごい。
息子も美味しすぎ!とスープのおかわりをしました。
食後は息子の作ったお月見団子をお供えしてベランダでゆっくりお月見。
掃除をして、洗濯をして、ご飯を作って、片付けして、子どもをお風呂に入れて、子どもの欲求にあれこれ応えて、お母さん業はつくづく大変な仕事だなぁと思う。
親も親戚もいないところに移住してきたので、今日みたいにしんどいときもあるけれど、地域の人達やこうして美味しい野菜を送ってくれる友人にどれだけ救われているだろう。
つい日常の忙しさにかまけていたけど、お月見の話を息子にしてくれた近所のおじいさんに、息子が思わず手にしたくなる香り高いハーブや野菜を送ってくれた友人に、そしてこんな素敵な作品を作り大切なことを気づかせてくれた息子に心からありがとう。
今夜はこのお餅を使って、枝豆で息子にずんだ餅を作ってあげよう。